松原湖周辺の地学探訪ー現地観察会

11月9日(土)「平安時代北八ヶ岳大崩壊と大月川岩屑なだれが創った大地(前編)」の資料に基づく現地観察会が開催されました。当日はAコース:「松原湖周辺の流れ山群と湖沼群めぐり」でした。
以下は資料の抜粋です。
 松原湖には二つの湖(猪名湖と長湖)がありますが、そのほかに周辺にいくつかの天然の池や湿地(池跡も)や凹地があり、また人造湖の大月湖(ここもかっては湿地だったと思われます)もあります。さらにはかって松原湖を凌ぐ大きな湖があった可能性も考えられます。これらは松原湖周辺に分布する沢山の小山や八ヶ岳から伸びる丘陵の間にできた凹地に水が溜まってできたものです。
 これらの小山は「流れ山」と呼ばれています。西暦887年に北八ヶ岳天狗岳、稲子岳等)の東側斜面が大地震によって、大崩壊し、大規模な岩なだれ「大月川岩屑なだれ」(通称:大月川泥流)が発生しました。これが大月川に流れ込んで下流部を埋めましたが、流れ山は崩れた岩体が細かく砕かれず大きな岩塊のまま移動、堆積して、周囲の堆積地より突出してできたものです。
当日の講師、土橋継夫さん

参加者の皆さん

観察会の前に資料に基づき概要説明がありました

八ヶ岳連峰東麓のジオラマで説明

松原湖畔で

稲荷岬の稲荷宮の円礫層:かぎ掛け層と呼ばれる古い時代の火山山麓堆積物。鎰掛付近の国道141号線沿いの崖と同じ地層でこの付近の基盤層と思われる(資料から抜粋)

屏風岩:古い時代の火砕流でできた凝灰(角礫)岩(溶結凝灰岩?)の崖で、屏風岩上部の尾根には稲子岳火砕流軽石層も分布しています(資料から抜粋)