ワミノヤチ自然園シリーズ10

昨年12月2日のワミノヤチ自然園シリーズ9の続きです。ワミノヤチ自然園は新芽が出そろい新緑へ移るところです(5月26日)。この自然園を中部横断自動車道の建設工事で発生する残土を埋め立てる候補地に小海町が指定し、自然園の所有者、松原区が埋め立て要望書を町と国交省野国道事務所へ提出しました(2011年12月2日)。以前のシリーズで説明したとおり長野県がレッドデータブックで絶滅危惧群生地「ハンノキーヌマガヤ群生地」総合評価Bに指定した場所であり、生物多様性保全のためにも、埋め立てをしないで後世へ残すよう強く要望いたします。町内外有志団体と個人がワミノヤチ自然園の保全と調査の要望書を長野県自然保護課、環境省長野自然環境事務所そして国交省野国道事務所へ提出しました。5月30日埋め立て要望者(松原区・松原諏方社上下二座・松原区農業者・松原区観光協会)と保全要望者(文化財調査委員会・小海町の花と緑を育てる会・ゆうきちゃんくらぶ・小海フィンランド協会・町内外有志)の意見交換会が小海町役場で開催されました。埋め立て要望者は農地を増やし、グランドを作り、松原区の生き残りを図りたいとの主張でした。保全要望者は長野県のレッドデータブックに絶滅危惧群生地と指定されていること、生物多様性の維持、小海町の自然は町民の財産であり後世へ引き継ぐべき、別荘所有者は小海町の自然にあこがれて選択した、水源として重要、森林の重要性、北牧小のグランドや体育館の活用、耕作放棄地の活用などを主張しました。それぞれの立場で意見を述べましたが、平行線でした。県の自然保護課に現地調査をお願いし、その結果を踏まえて再度意見交換会をする予定です。
自然園に広く分布するカサスゲ

コンロンソウ

ハシリドコロ、ナスの花に似ています


タニヘゴ

ヌマガヤの柔らかい新芽

見事なヌマガヤ群生地、ここに大きなハンノキ林があり、長野県では「ハンノキーヌマガヤ群生地」はここだけで大変希少かつ貴重なものです。

クリンソウ、秋には草丈が1メートル以上になります。現在は70センチメートル程度でした。